高地トレーニングは本当に効果があるの?その効果と危険性

      2016/11/21

高地トレーニングとは、酸素不足である高地の山場などでトレーニングをし、身体を酸素不足の状態に慣れさせ心肺機能を強化するトレーニング方法です。

効果的な標高は1500~3000mで、高地トレーニングを行っているのは、主に格闘技、水泳やマラソン選手などが多いといわれています。

高地で野性味溢れるトレーニングをしているなんて昔のマンガのようで、一般の人にはあまり現実的ではありませんが、高地トレーニングは本当に効果があるのでしょうか。

高地トレーニングにはどんな効果があるの?

心肺機能の強化

低酸素状態でトレーニングをすると、取り込める酸素量が平地に比べて少ないので、心肺機能に負荷を掛けることになります。

筋肉や関節などに無理な負担を掛けることなく、心肺機能に絞って負荷を掛けることができます。

赤血球やヘモグロビンが増加する

高地トレーニングの特徴は、何の練習もせず、高地で生活をしているだけで一定の効果が期待されることです。

ただそこにいるだけで低酸素状態になりますので、低酸素状態に身体が適応して、酸素を運搬するための赤血球やヘモグロビンが増加します。

ですので高地に住んでいる人達は特別なスポーツ選手でなくても、平地に住んでいる人に比べて赤血球やヘモグロビンの値が高くなっていることもわかっています。

トレーニングを終了して平地に戻ってもすぐには赤血球の数は減らないので、その状態で試合をすればより有利な状態で試合に臨めます。

高地トレーニングは危険過ぎる?

高地トレーニングのメリットは、低酸素状態になることで赤血球が増加し、多くの酸素を効率よく取り入れ、より多くの血液を送り出すように身体が適応させることにあります。

その反面、赤血球が増えることで血液濃度が高くなり粘性を持ってしまう為、水分摂取をこまめに行わなくてはいけません。

高地にいることで心肺に大きな負荷がかかっている上、血液の変化が伴うことで、非常に心臓に負担がかかります。

2012年に水泳のオリンピック選手が高地トレーニングの合宿中に心臓麻痺で急死しました。

高地トレーニングとの因果関係はわかりませんが、一流のプロスポーツ選手ですら危険を伴うトレーニングですので、かなり慎重に行わないと非常に危険です。

眠るだけで高地トレーニングが可能な「ハイポキシックテント」

クロスカントリー・スキーヤーで、2度の金メダルを獲得したチェコのカテリナ・ノイマノバ選手も高地トレーニングを実践している選手のうちの一人です。

ノイマノバ選手は高地トレーニングをなんと平地で睡眠中に行っています。

どういうことかと言うと「ハイポキシックテント」と呼ばれる低酸素テントの中で寝ているだけなのです。

ハイポキシックテントは空気中の酸素の一部を除去することで、最高で2700mの環境までシミュレーションでき、平地にいても低酸素状態を作り出すことが可能になっています。

ハイポキシックテントを製造している米ハイポキシコ社は、ハイポキシックテントを使用している選手は500人ほどおり、平均で3%ほど運動能力を向上させているようです。

トレーニングマスクで仮想高地トレーニング?

格闘家の練習の一貫として、トレーニングマスクを着用してトレーニングする光景をよく見かけます。
トレーニングマスクとは、マスクをすると低酸素状態が作れるので、簡単に仮装高地トレーニングができるというマスクです。

K-1の久保優太選手もトレーニングマスクを着用して、トレーニングに励んでいます。

ではトレーニングマスクを着用すると、高地トレーニングと同じ効果を得られるのでしょうか?

結論からいうと、トレーニングマスクだけで高地トレーニングと全く同じ効果を得ることは難しいのが現状です。

まぁ当たり前ですよね。
トレーニングマスクで高地トレーニングとまったく同じ効果が得られるなら誰も高地に行きません。

高地では得られる酸素が少なくなるだけでなく、気圧も下がります。
ですので血中への酸素供給も下がり、筋肉に運ばれ利用される酸素も減ることになります。

高地で酸素分圧の低い状態にさらされると、身体がミオグロビンとヘモグロビン含有量、そして毛細血管密度を増やし、筋肉への酸素供給を増やして、低酸素状態に適応しようとし、それを通常時のパフォーマンスアップにつなげようというのが狙いです。

トレーニングマスクだけでは口や鼻に入る酸素を制限することはできても、酸素分圧自体を下げたりすることは難しいのです。

しかも高地トレーニングは、適応するまでのプロセスに数週間、あるいは数ヶ月などの長い期間、高地での生活とトレーニングが必要になります。

簡単酸素制限トレーニング

ということで、トレーニングマスクで酸素を制限することはできるので、スタミナ強化などにおいてまったく効果がないわけではありません。

しかしトレーニングマスクは1個1万円以上するものが多く、なかなか高額です。

そこで私が編み出したのは『普通のマスクを使ってトレーニング』です。

やり方は簡単。普通のマスクを着用してトレーニングするだけ(笑)。

トレーニングをしていると汗をかきます。それは顔面も例外ではありません。
しばらく練習をしていると、顔の汗でマスクが濡れ、マスクの通気性が悪くなります。

マスクの通気性が悪くなることによって、低酸素状態を作り上げるのです。

以前はトレーニングマスクを着用していたこともあるのですが、普通のマスクを着用している状態でも同じ状態が作れることがわかりました。

普通のマスクの場合、汗をかかないと通気性が悪くならないので、それまでに少し時間がかかってしまいますが、超簡単に酸素制限ができるので、興味のある方は一度試してみてください。

高地トレーニングは是か非か

筆者は高地トレーニングは未経験ですが、今現在でも一流選手が取り入れているトレーニング方法ですので、やはり相応の効果は期待できると思います。

一方で「人間が本来持っている作用を高める合法的な方法か、あるいは無理やりその状況を作り出していてドーピングではないのか」という議論も巻き起こっています。

現時点で正式に高地トレーニングを禁止にしている団体や協会は見当たりませんが、今後あまりにも危険視されるようであれば禁止にする協会も出てくるかもしれません。

高地トレーニングはその危険性やドーピング議論だけでなく、高地までの渡航費や高地での滞在費など、非常に費用がかかるトレーニング法です。

また危険と隣り合わせなので、安全管理の為に専門の医師やトレーニングパートナーを同行させるとなると、とても個人の費用では行えません。

しかし、どうしても「心肺機能を高めたい」「絶対負けられない試合がある」などがある場合は、トレーニングマスクを装着してトレーニングを行えば、高地トレーニングまではいかなくても、それに近い状況を作り出すことは出来るようですのでオススメです。

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