エターナルラビリンスの業務停止命令について

   

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消費者庁が平成28年8月24日にエターナル・ラビリンスの屋号で脱毛エステを営んでいた株式会社グロワール・ブリエ東京に対して9ヶ月間の業務停止を命じました。

大きな理由は2つ。

1つ目は「月額9,500円」とうたっているにもかかわらず、実際は17万円以上かかる高額なコースを一括で支払った場合の1ヶ月あたりの金額に過ぎなかった点。

2つ目は「予約はすぐにとれる」と説明していたにも関わらず、実際は会員数が多すぎて予約をとるのが非常に難しい状況にあった点。

(ちなみに正確には7つの違反行為があったと認定されました。詳しくは次の項目で説明します。)

エタラビ側は「特定商取引法に違反するような事実はなく、今後裁判を含めて争うことも検討している」といいつつ、ホームページに掲載していた料金や予約に関する情報などてごっそり削除しています。

この事件は各ニュースメディアでも大きく取り上げられ、脱毛業界は震撼させらていることでしょう。

というのも、今回特定商取引法に違反すると指摘された内容は、他の脱毛サロンでも当たり前のように行っているところがあるのが実情だからです。

ではなぜエタラビがやり玉にあがったのかについては、正確なことはわかりませんが、おそらく消費生活センターに寄せられる声が多かったことが原因だと考えられます。

つまり同じような状況の脱毛サロンは、接客レベルで悪い印象を与えず食い止められていただけにすぎないため、これから徐々に改善されるのではないでしょうか。

エタラビの業務停止命令の詳細

各種のニュースは数百文字にまとまっていて、ざっくりと内容がわかりやすく書かれているのですが、脱毛に興味がある人はもう少し細かく知りたいのではないでしょうか。

当然一番正確に細かく書いてあるのが消費者庁のリリースなので、リンクを貼っておきます。

特定商取引法違反の特定継続的役務提供事業者に対する 業務停止命令(9か月)及び指示について

では重要なところをピックアップしていきます。

・エタラビに対して、特定商取引法法第47条第1項の規定に基づいて、9ヶ月間の業務停止を命じた。

・なぜ違反行為が発生したか、原因を調査して報告するように指示した。

・再発防止のため、防止策と体制を作って業務再開の1ヶ月前までに報告するように指示した。

・違反行為は「概要書面不交付」「契約書面の記載不備」「虚偽誇大広告」「不実告知」「債務不履行」「債務履行の不当遅延」「財務内容の不開示」

7つの違反行為について

エタラビは「概要書面不交付」「契約書面の記載不備」「虚偽誇大広告」「不実告知」「債務不履行」「債務履行の不当遅延」「財務内容の不開示」の7つの違反をしていたということですが、具体的にはどういう違反か見ていきましょう。

「概要書面不交付」と「契約書面の記載不備」

同社は、本件役務提供契約を締結するまでに、本件役務提供契約の概要に
ついて記載した書面を交付していませんでした。
(概要書面不交付)

同社は、本件役務提供契約を締結した際、契約の相手方に交付する契約の内容を明らかにする書面に、本件役務の提供期間及び本件役務提供契約の締結を担当した者の氏名を記載していませんでした。
(契約書面の記載不備)

「契約書面の記載不備」は、ちゃんと対面で説明をしていれば実際のお客さんが不快になったりすることはなかったかもしれません。

ただ「概要書面不交付」は悪質で、詳細を記載した書類を渡さないということは、お客さんに細かくチェックさせないようにようしたと見られても仕方がないでしょう。

契約書などを隅々まで読み込まないといけない詐欺のような契約がよく問題になりますが、これは読むことすらできないわけですからね。

ホームページに詳細を記載せずに「詳しくは店頭で」とだけ書いてあり、実際に行くと騙されるパターンがよくあります。
今の時代、公式ページに詳細を公開できない企業は怪しいと思われても仕方がないと思います。

「虚偽誇大広告」

同社は、実際には、契約代金を一括で支払った場合の1か月当たりの対価が9,500円という計算になるにすぎないにもかかわらず、「月額制」、「通常月額9,500円」等と、単価9,500円の契約を任意の月単位で契約する制度であるかのような表示をし、さらに、「今なら初月+2ヶ月目も0円、2016年2月29日まで!」と、申込みの有効期限があるかのように表示していたが、実際には期限を過ぎても「2016年3月31日まで」、「2016年4月30日まで」と同様の表示を繰り返し、本件役務の対価並びに対価の支払時期及び方法について、実際のものよりも著しく有利であると人を誤認させるような表示を行っていました。

これは役所の文書ですが、そのまま理解できる良文ですね。
おそらく脱毛サロンあるあるではないでしょうか。

「役務の内容に関する不実告知」

同社は、予約制のエステティックサロンであるところ、多数の会員が予約が取れないにもかかわらず、「1か月に1回は必ず予約が取れます。」「うちは間違いなく予約が取れます。」、「予約はすぐに取れる完全予約制です。」等、予約の取りやすさをうたい、本件役務の魅力を判断する要素となる事項について不実を告げて勧誘していました。

これもわかりやすいですね。
説明は不要でしょう。

「解約した消費者への返金に関する債務不履行」

同社は、クーリング・オフをした消費者に対し、速やかに消費者から受領した金銭を返還する義務があるにもかかわらず、返金に際して「○○店に取りに来てください。」と告げるなど、債務の履行を不当に遅らせていました。また、中途解約をした消費者に対し、「解約してもお金は返せません。それは無理です。」と返金を拒否したり、「銀行のシステムのトラブルで、振込みが遅れてしまいました。」、「銀行に連絡がちゃんとされていませんでした。」と繰り返すなど、本件役務提供契約の解除によって生じる債務の全部又は一部の履行を不当に遅延させたりしていました。

これが本当なら悪質ですね。
なぜほとんどのニュースでこの内容を取り上げていないのか不思議なほど。

銀行のせいにして遅らせるというのは、もしかしたら本当にトラブルかもしれませんのでわかりませんが、
店に取りにこさせるとかはやり方がセコい気がします。

どうせ返金しないといけないのになぜ店側が遅らせる必要があるのかは、場合によっていくつか理由があります。

エタラビは儲かっていたはずなので、資金繰りのために一日でも長く手元に現金をおいておきたい、ということはなかったはず。
となると、考えられるのは「当月のノルマ」を厳しく決められていて、数字がギリギリの場合などでしょうか。

しかし「解約してもお金は返せません。それは無理です。」と返金を拒否というのはひどすぎますね。

クーリングオフとは英語でCooling Offと綴り、頭をクールに冷やして考えてみた結果、やっぱり契約をやめたほうが良いと思った場合、ちゃんとお金を返してもらえる制度です。

クーリングオフはどんなものにでも適用されるわけではありませんが、脱毛エステはクーリングオフ対象の「特定継続的役務提供」に含まれます。
ちなみに他には英会話スクールやパソコンスクール、学習塾なども含まれますので、もし勢いで契約してしまったり、胡散臭い勧誘に騙されたとおもったら堂々と返金してもらいましょう。

「施術に関する債務履行の不当遅延」

同社は、原則として3か月に4回の頻度で施術を提供する債務を負っているにもかかわらず、上記債務の履行を不当に遅延させていました。

これも予約が取れない問題と同じです。

「財務内容の不開示」

同社は、本件役務提供に係る前払取引を行っており、業務及び財産の状況を記載した書類を、事業年度ごとに当該事業年度経過後3か月以内に作成し、本件役務提供契約に関する業務を行う事務所に遅滞なく備え置かなければならないところ、店舗に当該書面を備え置いていませんでした。

これも直接お客さんに不快感を与える内容ではありませんので、説明は割愛します。

エタラビであったひどい勧誘の事例

なんとこの文書にはエタラビで受けたひどい勧誘の事例も掲載されています。
非常に参考になりますので引用します。

脱毛エステに通いたいと思っていた消費者Aは、インターネットで「月額9,500円」という同社の広告を見付けた。Aは、料金の安さに魅力を感じ、同社の店舗に「初回無料カウンセリング」の予約を入れて同社の店舗を訪れた。

Aは、月額9,500円で施術を受けられるものと思い、カウンセリング担当者Zの説明を聞いていたが、実際は、契約代金を一括で支払った場合には、1月当たりの対価が実質9,500円相当になるという説明であった。

Aは、高額な一括支払を想定しておらず、釈然としない思いだった。

Zはプランの話や、脱毛エステを受けるに当たっての注意事項をクリアファイルに入った書類を見せながら説明したが、Aはその書類を店側からもらっておらず、「概要書面」のようなものも受け取っていない。

印鑑や身分証明書を持ち合わせていなかったAは一旦帰宅した。

高額の金額を負担に思ったAは、翌日に同社の店舗に出向いて一段階安いコースに変更して契約を締結し、クレジット料金の端数金額を現金で支払い、契約書は受領した。

家に帰ってよく考えたAは、やはり釈然としない気持ちになり、消費生活センターに相談をしクーリング・オフ通知を同社の店舗とクレジット会社に送付したところ同社の従業員から、返金に際して「○○店に取りに来てください。」と連絡があった。

消費者Bは、全身脱毛をしたいと思い、同社の店舗で「初回無料カウンセリング」の予約を取り、出向いた。Bは、同社の担当者Yから、コースを提示され説明されたが、資料などはなく口頭の説明だけだった。

また、契約をする前に、詳しい内容を書いた書類もなかった。

Yは、予約に関して、「うちは、他社と比べて予約が取りやすいです。ホームページでうたっているように予約はすぐに取れる完全予約制です。」、「予約は電話で取れますので、忙しい人もいつでも好きなときに通ってもらえます。」と説明したので、Bは、その場で契約した。

Bが、ローン会社の書類に必要事項を記入すると、Yは「1週間以内にローン会社から電話があります。審査が通ったら、エステの話を詳しくします。それまでは取りあえず待っていてください。」と言った。

Bは、ローン会社からの確認の電話後も、Yに言われたとおりに、同社からの電話を待っていたが、2週間たっても電話はなかった。

Bは、不安になり店舗に電話をしたところ、契約は通っていると言われたが、その月は、予約が一杯で取ることができず、翌月に再度電話をするように言われた。

Bは、言われた通りに翌月に電話をかけたが、すでに予約は全て埋まっていて結局予約を取ることができなかった。

Bは、そのときに教えてもらった同社の予約方法に従い、予約開始時間に電話をしたがつながらず、やっとつながっても、予約は既にどこも一杯だった。

キャンセル待ちを入れても、連絡の電話もなかった。

Bは、ローンの支払が既に始まっているが施術は受けられず、店舗に電話をしたが、契約してから日が経っているので、クーリング・オフはできない、解約する場合は違約金を振り込むようにと言われた。

消費者Cは、フリーペーパーを見て「初回無料カウンセリング」の予約をし、同社の店舗で全身脱毛の契約をしたが、半年も経たないうちに施術の予約が取れなくなった。

しばらく我慢をしていたCは、同社のXからフォトフェイシャルのモニターをしてほしいと声をかけられた。

Xは、「全店舗での企画で、各店舗から3名くらいモニターを選んで、月に1回施術を受けてもらい、肌の状態を写真に撮らせていただき、肌の状態がどう変わったか、どんな効果があったのか使用感などを聞かせていただきたい。」、「モニター企画なので、料金も、通常は1回5万円もするのですが1万円でできてお得になっています。」、「今やっている施術と併用してやっていき、それできれいになるのですから是非お願いしたいのです。」とかなり積極的に勧められた。

さらに、「月に1回来店できますか。」と言われた。新しい施術のコースで、スタッフの資料を作るために参考にするというので、Cは、協力する気持ちで契約した。

しかし、すぐに予約が取れなくなり、通うことができなくなった。

Cが同社の予約システムに従って毎月15日に予約の電話を入れても、既に一杯で予約が取れなかった。キャンセル待ちをしても、連絡がなく、いつまで経っても施術を受けられない状況が続いた。

また、モニターなのに写真を撮ることも話を聞くことも一度もなかった。

Cは、毎月お金だけ自動的に引き落とされることに納得ができなくなり、店舗に解約したいと電話をしたが、Xから別の店に移ることを提案された。

しかし、これに応じられないCは、解約書類の送付を求めたが、Xは、「解約してもお金は返せません。それは無理です。」と言い、結局解約書類の送付はなかった。

Cは、店長のWにも電話をしたが、「解約の話は聞きましたが、解約はできません。残りのお金は払ってもらいます。」と言い応じてくれなかった。

それでも、Cは何とか解約に応じるようにと言うと、Wは、「では、お店に来てください。直接お店に来ないと解約はできません。」と言った。

Cは店舗に行ったが、すぐに解約に応じてもらえず、消費生活センターに相談した。

消費者Dは、ネットで検索し同社の店舗へ「初回無料カウンセリング」を受けるために出向いた。

Dは、以前通っていたサロンで、一度キャンセルをすると次の予約が何か月も取れず、それが原因でやめた経緯があったので、予約が取れるかどうかを同社の担当者Vにしっかりと確認をした。

Vは、「うちは間違いなく予約が取れます。」、「うちはシステムがしっかりしているので、大丈夫です。予約は1か月に1回は必ず取れます。」と言うので、Dは、契約した。

しかし、4回目から急に予約が取れなくなり、予約開始時間から電話をしても誰も電話に出なかった。
翌日以降に電話がつながることもあるが、どの時間帯も空いていなかった。
キャンセル待ちの電話も1回もなく、何か月も予約が取れない月が続いた。

Dが同社と契約した理由は、予約が確実に取れて施術が受けられるというのが最大のポイントだった。

Dは、1か月に1回予約が取れるという約束で契約したのに、その保証がないのであれば、解約したいと思い、同社の店舗に電話で解約を申し出た。

同社は解約、返金には応じ違約金を差し引いた返金額を1か月後に振り込むと言ったが、1か月経っても振込みはなかった。

Dが、同社に確認すると、同社の従業員は「銀行のシステムのトラブルで、振り込みが遅れてしまいました。」と言った。次は間違いなく振り込むと振込日を決めたが振り込まれなかった。すると今度は「銀行に連絡がちゃんとされていませんでした。」と言った。

2回も約束が守られなかったので、Dは、消費生活センターに相談した。
消費生活センターの相談員が、早急に振込みを求めると、店舗の従業員は、すぐに振込むが、既に銀行に振り込み予約をした分は、振込手数料を消費者の負担で返してほしいと言った。

悪質な脱毛サロンの見分け方

今回業務停止命令を受けたエタラビですが、実際に通っている人の話では「ホームページの説明がわかりにくったので、直接きいたらちゃんと答えてくれた」「解約したとき返金に問題はなかった」という声もありました。
おそらく全体的な会社の体質の問題と、一部の店舗の責任者や担当者の問題が合わさって起こったのだと思います。

悪質な脱毛サロンの見分け方として、まずは公式ページの記載がわかりくいこと、そして電話やメールで質問しても濁して答えないところは怪しいです。

ただ確かに実際に来店してみないとわからないことはあるのは事実ですので、来店してから悪質だとわかった場合や契約してしまってから悪質だとわかった場合でも、遠慮無く堂々と断る気構えが大切です。

わかりにくいことがあれば堂々と質問をして、自分の希望をはっきり伝え、キッパリと断る態度の人は騙そうとされません。

もし勇気がないという人はその場はなんとか逃げることに全力を注いでください。
そしてその後で消費生活センターに相談したり、今ならインターネット上で有識者に相談することもできます。

今までも脱毛サロンは脱毛機でヤケドをした、という事件などがありましたが、問題がおこる度に、業界全体で改善をしてきました。
おかげで安全面では非常に質が高まってきています。

今回のエタラビの業務停止の件のおかげで、他の悪質な脱毛サロンが自主的に改善してくれることを祈ります。

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