米調査で筋トレなどの運動が脳の萎縮予防にも効果的であることが判明
2016/11/21
最近アメリカのとある実験で「中年期の運動能力の低さと、年を取ってからの脳の萎縮には関係がある」という調査結果が発表されました。
(CNN) 中年期の運動能力の低さと、年を取ってからの脳の萎縮には関係があるという調査結果が、このほど神経学会誌のオンライン版に発表された。
米ボストン大学などの研究チームは、認知症や心疾患のない平均年齢40歳の約1500人にランニングマシンで運動してもらうテストを実施し、20年後に再度テストを行って、脳の状態を磁気共鳴断層撮影(MRI)装置で調べた。
その結果、20年後、ランニングマシンの運動成績が良くなかった人は、脳が萎縮していることが分かった。
もちろん科学的に立証されているわけではありませんが、筆者も運動が脳に与える影響はかなり大きいと考えています。
ではなんで運動や筋トレをすると、脳の萎縮を食い止められるのでしょうか。
運動や筋トレによって分泌されるホルモンが脳の萎縮を食い止める?
運動や筋トレをすると、脳から以下のような脳内物質と呼ばれるホルモンが大量に分泌されます。
セロトニン
セロトニンはノルアドレナリンやドーパミンと並んで、体内で需要な役割を果たしている三大神経伝達物質の一つです。
セロトニンは人間の精神面に大きな影響を与えており、心身の安定や安らぎにも関与しているので「幸せホルモン」とも呼ばれています。
セロトニンが不足すると、鬱病や不眠症などの精神疾患に陥りやすいともいわれています。
β-エンドルフィン
β-エンドルフィンは別名「脳内モルヒネ」ともいわれており、鎮痛作用はモルヒネの6.5倍もあるとされています。しかもモルヒネと違って副作用などは一切ありません。
また抗酸化作用があり、老化の原因といわれている活性酸素を除去する働きもしてくれます。
他にも毛細血管を広げ血液循環を良くしたり、免疫力をアップさせる効果もあります。
β-エンドルフィンの最大の効能は、脳の神経回路を作り変えてくれるので、集中力、忍耐力、思考力、記憶力、創造力などの機能が向上するといわれています。
人間に一番近いといわれているチンパンジーですが、思考力や創造力は人間の脳と比べ圧倒的な差があります。
遺伝子的にはそれほど差がないのに知能にこれだけの差が出ている原因として、このβ-エンドルフィンではないかという説もあります。というのもチンパンジーの脳にどんな刺激を与えてもβ-エンドルフィンは分泌されないそうです。
ドーパミン
セロトニンと同じ三大神経伝達物質の一つで、別名「快楽ホルモン」とよばれています。
脳内にドーパミンが増えると快楽を感じるだけでなく、元気になったりアイデアが閃きやすくなるので、仕事の効率がとても上がります。
またドーパミンは脳を興奮状態にさせて食欲を忘れさせてくれますので「ドーパミンが出る=お腹がすかない」という効果もあり、無意識的に痩せやすくなります。
ドーパミンが不足すると、行動力や集中力、注意力などが低下し無気力状態に陥ってしまいます。
このように運動によって分泌されるホルモンの働きが脳の萎縮を食い止めることと関連があるのではないかと考えます。
運動には脳にも良いので今すぐ始めよう
現代人は日常の運動習慣がとても減っています。
昔はいたるところに公園があり大人が外で遊ぶ機会も結構あったのですが、最近ではすっかり公園も減ってしまい、スポーツ以外にも楽しい遊びがいっぱいあるので、意識的に運動する人以外は運動不足になりがちです。
ですので意識的な運動を心がけないと、体力が落ちるだけでなく脳が萎縮してしまう可能性さえありますので、日常的な運動を心がけるようにしましょう。
