医学は科学か?民間療法やプラセボとのつきあい方について
2016/06/23
この100年ほど科学は人類史で最も急激に進歩しています。
そのおかげで医学も進歩したことは間違いないでしょう。
しかし医学=科学ではありません。
現代に生きる私たちは医学とどのように向き合っていけばいいのでしょうか。
医学と科学の大きな違い
現代医学は科学によって進歩して来ました。
とは言え、現代医学でもわからないことだらけなのです。
例えば風邪の原因がウィルスだということはわかっても、科学的と言える治療法はまだ見つかっていません。
それでも医学はなんとか風邪をひいた患者のために治療法を考えて処方します。
風邪を治す治療法に99.9999%のエビデンスはありません。
物理学であれば99.9999%以上の再現性がないと認められないので、医学が科学であれば医者は患者に何もできないことになります。
科学とは何かという定義は難しいですが、仮に普遍的に再現性があるものを科学だとすれば、医学は科学ではないのです。
医学が究極的に科学になれない理由
もし科学が進歩して人体のことをすべて解明したとしても医学は科学になれない理由があります。
それは人間は健康のためだけに生きているわけではないからです。
人によって嗜好は違います。
医学が進歩して科学的には正解があったとしても、人は不正解を選びたがる可能性があるのです。
医者が99.9999%の確率でこの治療をすれば余命を伸ばせるとわかっていても、強制的にその治療を患者に押し付けることはできません。
科学は真実が解明できたら一応終了ですが、医学は科学的に答えを突き詰めただけでは終わらないのです。
民間療法はエセ科学か
科学的に突き詰められたとしても医学は終わりではないという非常に難しい世界ですが、現実は科学的にわかっていないことだらけです。
そのためエビデンスが全くないような民間療法が横行しています。
加持祈祷で悪霊を追い払うことで病気を治すようなものから、サプリメントまで、医学者が認めることはできないもので実際に病気が治ったりすることがあります。
もちろん全くのウソで何も効果がなく、ひどい場合では死に至ることもあるでしょう。
医学者は必死で研究を続けて出来る限り本当のことを解明しようとしています。
例えば西洋医学、東洋医学という分け方をする人も今では少なくなっていて、漢方薬なども分析をして効能と副作用のエビデンスが取れたものは積極的に使用するようになってきました。
それでも医学で治らないものは残念ながらいくらでもあります。
そのときに患者が民間療法に頼るのを、医者には止めることはできません。
医学の力不足のため、エセ科学だと言い切れない、あるいは効果があることを証明できないことが多いのが現実です。
バカにできないプラセボ(プラシーボ)効果
では実際に自分が病気になった場合、どのように医学や民間療法と向き合っていくのがいいのでしょうか。
やはりオススメとしては、まずは現代医学で治せるものなのかどうか、医者に診断してもらうことがいいでしょう。
そこで納得が行かない場合は、セカンドオピニオンを確認する。
それでもしっくりこない場合には、民間療法やサプリメントを試してみる、という順番が安全です。
医者が治せないことでも民間療法などが治せる場合があります。
薬の効能を調べる場合に偽薬と同じ効果では意味がありませんが、医者が治せないものを治せるのであれば、もしそれがプラセボ(プラシーボ)効果であったとしてもいいことです。
「病は気から」という言葉の通り、治そうとする患者の気持ちで回復に差があることは、おそらくどの医者でも認めるところでしょう。
プラセボ効果を最大限利用する方法とは
プラセボ効果は医者がどれだけがんばってもコントロールできるものではありません。
しかし患者自身で効果を高めることができるのです。
小麦粉だけで作った錠剤がプラセボ効果で病気を治してしまうことがあるぐらいですから、ちゃんとした薬やそれなりの成分が入っているサプリメントであれば、患者次第で効果を大きくできるはずです。
ではどうすればいいのでしょうか。
それは「効きそうだと思うものを試すこと」と「効いていると感じているものを続けること」です。
当たり前だと思うでしょう?
でも意外とそうでもないのです。
最初は効きそうだと思って試したものを、なんとなくダラダラ続けてしまっている人が多いのだとか。
特にサプリメントに関しては惰性になった瞬間に別のものに切り替えることをオススメします。
サプリメントは成分だけではなく、プラセボ効果も味方につけないともったいないですよ。