水素水は詐欺?インチキ?Nature論文への批判は?
2017/03/18
水素水ブームに乗っかって、詐欺的な商品が続々と売りだされています。
そのことで消費者庁が業務停止命令を出すような事態も起こりました。
そのため世間では水素水はインチキ商品だというイメージがついたのか、大手メーカーが水素水を販売したところネットでは大騒ぎに。
水素水はなぜ詐欺やインチキだと批判されるのでしょうか。
そもそも水素水は本当に全く効果が証明されていないのでしょうか。
目次
水素水が詐欺やニセ科学と言われる2つのパターン
水素水について批判をする人にもいろんな人がいます。
普通の人がマスコミや有名人のコメントにつられて、反射的に効果を信じきったり、詐欺だと決めつけたりするのはしょうがないことでしょう。
自分の好きな番組で好きなコメンテーターが言うことをそのまま言っているだけの人に罪はありません。
しかし、影響力のある人のコメントはどれぐらいの理解があって発言されたものなのか、受け手側がよく考える必要があります。
特に医学の専門ではない人でご意見番的な有名人のコメントには注意が必要です。
水素水批判をしている人を大きく分けると次の2つのパターンにわかれます。
商品ごとに詐欺やインチキの可能性を指摘している批判
水素水だけに限らず、どんなものでもブームが起これば便乗商品であふれます。
その中には詐欺的な商品があるので気をつけましょうというコメント。
そして詐欺的な商品とちゃんとした商品の見極め方なども添えられているもの。
水素水自体がニセ科学だという批判
細かくわけるとこのパターンの中にも2種類あって「まだエビデンスがない」という批判と「そもそもインチキだ」という批判があります。
水素水をそもそもインチキだと批判する人の根拠は中学、高校レベルの化学的知識がほとんどです。
・水素は疎水性なので水に溶けない
・最も小さい分子なので、どんな容器でもとどめておくことはできない
・水素は身体に吸収されることはない
・水素は不活性なので身体には影響を与えることはない
こういうことを根拠に批判している人が多いので困ったものですね。
受験勉強で成績がよく、自分は頭がいいと思っている人に多いのでしょうが、医学を専門にしていないと最新の論文などをちゃんとチェックしていないためどうしてもそうなってしまいます。
本気で水素水を批判するならNature論文に反論を
水素水に関してはもちろんすべてが完全解明されているわけではありません。
日々新しい研究結果の論文が発表されていて、そのうちさらに解明が進むでしょう。
しかしSTAP細胞の件もあり、論文が出たからといってそれだけで確実なエビデンスとみなせないということも、世間一般の人もよく知るところとなりました。
STAP細胞の論文には不備が見つかり、追試でも結果が出ず、残念な事件となってしまいましたが、論文が出ただけでは証明や解明とは言えないことがわかってよかった面もあります。
論文には相関関係のみしか記載されず、因果関係まで解明されないものも多いため、気をつけなければいけません。
水素水の批判をするのであれば、例えば2016年1月に掲載された太田成男教授の論文の反証を誰かして欲しいです。
この論文は『Molecular hydrogen regulates gene expression by modifying the free radical chain reaction-dependent generation of oxidized phospholipid mediators』というもので、ざっくりいうと、水素分子が遺伝子発現を制御するメカニズムがわかったという内容です。
今までは水素水は抗酸化作用があるということにフォーカスされていましたが、他にも関節リウマチのような自己免疫疾患やパーキンソン病、軽度認知症、ミトコンドリア病、脳梗塞や心肺停止の蘇生、さらにはメタボや糖尿病、放射線障害などにも効果があることがわかっていました。
ただ、なぜ水素がそれらに効果があるのかという理由が解明されていなかったため、批判されてしまうこともありました。
それがこの論文ではNFATと呼ばれる転写因子の活性を低下させて、遺伝子の発現を制御できることを解明したのです。
ポイントは細胞膜中の脂質からフリーラジカルが電子を奪い、過酸化反応をしたものに水素が効果を発揮することがわかったという点です。
詳しくは誰でも無料で読めますので上のタイトルをクリックしてチェックしてみてください。
もちろんこれだけですべての水素水の効果が解明されたわけではないのですが、こういった論文に対してちゃんと批判をしている意見はテレビやツイッターで気軽に知ることはできません。
水素水が詐欺やインチキだと言う人の方がインチキな場合がありますので気をつけましょう。