「使える筋肉」「使えない筋肉」ってどういうこと?
2016/11/21
ウェイトトレーニングをする上で必ず議論になるのが「使える筋肉使えない筋肉」の話です。
よく「ボディビルダーの筋肉は使えない筋肉」と言われていますが、そもそも「使える筋肉」という言葉自体、定義が曖昧なのです。
では「使える筋肉」とはどういう筋肉なのでしょうか。
目次
そもそも『使える筋肉』とは
一般的に「使える筋肉」とは、競技パフォーマンスに特化した筋肉を指しています。
たとえばマラソンランナーがボディビルダーのような大きい筋肉をつけて試合に活かすことができるでしょうか?
マラソンランナーにはマラソンに適した筋肉があり、その目的によって筋肉の使い方や付け方自体は変わってきます。
ではボディビルダーの筋肉は「使えない筋肉」なのでしょうか。
ボディビルダーの筋肉は「使えない筋肉」なの?
ボディビルダーの筋肉は大きい筋肉を見せる、いや、魅せるための筋肉です。
彼らは筋肉を大きく、かつカッコよく見せるためのトレーニングをしているので、スポーツの競技パフォーマンスに特化しているとはいえません。
しかしこれは目的の問題で、「大きく見せる」というしっかりとした目的があるので、ビルダーがスポーツ選手より劣っているということはありません。
しかも彼らはベンチプレスは余裕で100kg越えている人も多く、それでも「使えない筋肉」なのでしょうか?
ウェイトトレーニングは「目的」を持って行うものですので、ボディビルダーにはボディビルダーとしての目的がきちんとあるのです。
プロテインで作った筋肉は使えない?
よくプロテインを摂っていない人から「プロテインで作った筋肉は使えないし筋肉が落ちやすい」という意見がありますが、これは本当なのでしょうか?
最近はもうこの勘違いをしている人は少ないですが、昔は「プロテイン=ステロイド」と考えている人も多く、プロテインがただのタンパク質であることを知らない人もたくさんいたくらいです。
そんなプロテインですが、プロテインで作った筋肉は本当に使えないのでしょうか?
「プロテインで作った筋肉は使えない」は間違い!
『プロテイン(protein)』とは日本語に翻訳すると『タンパク質』の事ですので、決してステロイドではありません。
ですのでプロテインを飲んだからといって急激に筋肉がつくわけではありませんが、プロテインで作った筋肉が使えないということはありません。
プロテインを飲まずにトレーニングをしてつけた筋肉も、結局は食事から摂ったタンパク質(=プロテイン)から作られているのです。
プロテインで作った筋肉が使えないと言われるようになったのは、おそらく「プロテイン=ステロイド」と勘違いされていた経緯だったり、筋肉ムキムキの人が意外とスポーツでは活躍出来ないイメージがあるからだと思います。
「プロテインで作った筋肉は使えない」は間違いなのです!
ちなみにドーピングのイメージがあるステロイドはアナボリックステロイド(anabolic steroid)というもので、摂取したタンパク質を細胞内の組織に変える働きがあるため、急激に筋肉がつくというもの。
副作用が怖いというイメージがあるステロイドと言えば、アトピー性皮膚炎の塗り薬のステロイドや、リウマチなどの免疫疾患に使われるステロイドがありますが、それはアナボリックステロイドとは別の『副腎皮質ホルモン』です。
いずれにせよ、プロテインはステロイドとは全く別物ですので安心してください。
プロテインはスポーツ選手だけが飲むものだけはない
最近はスポーツ選手だけでなく、過度な筋トレをしていない女性でも飲む人が増えています。
現代人は食生活が偏っていて、慢性的にタンパク質が不足していますので、一般の方もプロテインを飲むべきなのです。
タンパク質と一言でいっても実は様々な種類のアミノ酸が集まって出来たもので、タンパク質なら何でも摂ればいいわけではありません。
重要なのは必須アミノ酸と呼ばれるもので人間が体内で合成する事ができず、食べ物で補うしかないものです。
しかも9種類ある必須アミノ酸をバランスよく摂ることが重要で、どれか1種類でも摂取量が少ないとその他のものをたくさん摂っても有効利用されません。
そのため健康上の理由としてもバランスの調整されたプロテインサプリメントはオススメです。
40代以降になってくると特にプロテインを敬遠しがちですが、40代以降の人こそしっかり栄養を摂る必要がありますので、たくさんプロテインを摂って、理想のボディを手に入れましょう。
トレーニングの目的を考えよう
トレーニングをする際には、常に「なんのために?」ということを考えながらやるのが大切です。
目的は「競技パフォーマンスの向上」でも「かっこいい身体になりたい」でもなんでもいいと思います。目的に応じてトレーニングの内容は異なりますし、ただやみくもに思いついたトレーニングをこなしていても、それは目的に沿ってない「使えない筋肉」になってしまいます。
もし「目的」は決まっているのに「どんなトレーニングをしたらいいかわからない」という方は、専門のトレーナーに指導してもらって「目的」に最短で近づくのがオススメです。
